シックハウス症候群について

私は、シックハウス問題について、すでに10年以上前から「塗料におけるシックハウス」の問題に取り組みました。当時、色々な所に問い合わせしたりして最初に出会ったのがドイツ製「オスモカラー」でした。自然塗料・NOVOC塗料を探していました。当時日本の塗料メーカーは何の対策もされていませんでした。次に出会ったのが米国製の水性塗料でした。MSDS(成分成績表)を見ると、やはりNOVOCと記載されていました。しかし、当時水戸で取り寄せて勧めても反響はさっぱりでした。役所もそうでした。
しかし、マスコミ等がこの問題を取り上げだしますと設計事務所、役所、建築業者等より問い合わせが後を引きませんでした。現在は、建築法規にも規定が明記され日本の塗料メーカーも対応塗料を開発し一応は収まっているように見受けられますがまだまだ結構あちこちで今でも問題が起きているようです。
若干の違いはあると思いますが私の作った文章を紹介したいと思います。参考になれば幸いです。

 「シックハウス」症候群て何?

「シックハウス」とは何だろう?
 「シックハウス」の意味は「病気の家」の事です。「病気の家にすむ事」により「シックハウス症候群」になるのです。

*シックハウス(病気の家)・シックハウス症候群になる原因は
 (1)高気密気密性が高すぎる。
 (2)自然空気の換気量の低減。
 (3)室内の空気を循環させている。
 (4)室内がテクスタイルやカーペットになっている。
 このように「高気密」「人口換気(自然換気の不足)」「化学物質を含む建材・内装材の多用」が
 シックハウス症候群を引き起こす原因であると考えられます。

*シックハウス(室内空気汚染)の原因物質は
 「粒子状物質」と「揮発性有機化合物」の二つに分類されます。

●「浮遊粒子状物質」とは
  カビ、ダニ、細菌の生物学的原因と、ハウスダスト(ほり)、タバコ煙、アスベスト、など。
●「揮発性有機化合物」とは
  ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、可塑剤、木材保護材 (有機リン系、ピレスロイド)防蟻材シロアリ駆除剤(有機リン系)など。

*「生活の中の化学物質発生源」
 
 清掃剤  ワックス            喫煙   人間
 塗料   関連材             家具
 空調機  空調システム          衣服
 防・剤・防カビ剤             芳香消臭剤
 事務用品                 接着剤
 家庭電化製品               難燃化剤
 自動車関連商品              可塑剤、減菌剤、防腐剤
 
*シックハウス症候群と化学物質過敏症の違い 「シックハウス症候群」は原因となるシックハウス(病気の家)から避難すると症 状は軽快したり消失するのですが「化学物質過敏症」は原因となる住宅や建物から 外へ出ても、排気ガスや排煙など大気中の化学物質汚染などに反応するので、化学物質の存在するところであれば症状が治ま らないと言う事です。
又、超過敏状態になるので室内であっても、ヘヤースプレー、香水、芳香剤、化粧 品、印刷インクなどの化学物質に反応してしまい、日常生活が極めて困難になる事です。シックハウス 問題は建材や接着剤・塗料ばかりではありません。日常生活の中で何気なく使用している洗剤・漂白剤・消臭剤・カビ取り剤・化粧品・家具等からも発散しています。良く使用されている成分を確かめてから使用する事が大切です。

*シックハウス症候群の定義

米国環境保護庁(EPA)のシックビル症候群の定義と原因(1993)についての見解を見ます。

定義
(1)そのビルの居住者の20%以上が不快感に基づく症状の訴え   を申し出る。
(2)それらの症状の原因と因果関係は必ずしも明確ではない。
(3)それらの症状の殆どは当該ビルを離れると解消する。
原因
(1)室内の空気を循環させている。
(2)自然空気の換気量の低減。
(3)気密性が高すぎる。
(4)室内がテクスタイルやカーペット仕上げになっている。
*このように「高気密」「人口換気(自然換気の不足)」「化学物質を含む建材・内装材の多用」がシックハウス症候群を引き起こす原因であると考えられています。

*シックハウス症候群の原因
シックハウス症候群は室内空気の汚染が原因で健康障害を起こしている事はいうまでもありませんが、なぜ、シックハウス(病気の家)になったのかということについては、
1)「高気密」(設計)
2)自然換気不足(設計・住まい方)
3)「化学物質の多用」(設計・住まい方)
  の3要因があります。現在、シックハウス症候群の室内空気汚染の原因物質は大きく「粒子状物質」と「揮発性有機化合物」の2つに分類されています。
室内の揮発性有機化合物の発生源は「建材・内装材」「家具」「生活用品」などが考えられています。住環境や建築学的な面からのシックハウス対策としては
1)「設計」
2)「換気」
3)「管理・使い方」
   の3要素を考えて実施しなければなりません。
*「浮遊粒子状物質」
  カビ、ダニ、細菌の生物学的原因と、ハウスダスト(ホリ)、タバコ 煙、アスベスト等
*「化学物質」
  揮発性有機化合物・Volatile Organic Compounds(以下VOCと略す)
 ホルムアルデヒド・トルエン・キシレン可塑剤(フタル酸エステル類、塩化ビニール)木材保護材(有機リン系、ピレス ロイド)防蟻剤、シロアリ駆除剤(有機リン系)現在、最も注目されているのが揮発性有機化合物のホルムアルデヒドですが、有機リンなどの他のVOCもシックハウス症候群の原因化学物質になります。

*シックハウス症候群の症状

シックハウス症候群の症状としては、眼や鼻や喉の刺激感、視力調節障害、鼻づまり、喘息、アトピー性皮膚炎、皮膚の痒み、じんましん、頭痛、倦怠疲労感、動悸、不整脈、息切れ、吐き気、下痢、便秘、腹痛、不安、うつ状態、不眠、異臭感、めまい、など自律神経症状、神経症状、消化器症状、循環器症状、呼吸器症状、免疫、内分泌、感覚器、運動系症状など非常に多彩であるのが特徴です。逆に疾患に特徴的な症状が無い事が医学診断を困難にしています。
ただ、ホルムアルデヒドやトルエン等は刺激性が強く、粘膜・皮膚症状がでやすいのが特徴といえます。化学物質過敏症の症状はより多彩な傾向があります。




表1「ホルムアルデヒドの濃度と症状」

HCHO(ppm)WHO基準値・厚生省指針値0.08ppm
0.01〜1.6   目の刺激
0.04    神経組織の刺激
0.05〜1.0   臭いを感じる
0.08〜1.6   目と鼻に刺激
0.25〜0.33  呼吸器障害
0.4〜0.5   目がチカチカ、喉の刺激
2〜3     目が刺すように痛い
10〜20    激しい涙流
30〜     生命に係わる危険、肺水腫、死亡

表2「TVOC濃度と健康への影響」


r/
0.2以下   影響がないと考えられる
0.3〜3   相乗作用により炎症や不快感
3〜5    居住者からの苦情、臭気を感じる
5〜8    眼鼻喉の炎症
8〜25    頭痛
25以上  頭痛、神経毒性

 表3「生活の中の化学物質発生源」

               
清掃剤  ワックス
塗料   関連剤
空調機  空調システム
防・剤 防カビ剤
事務用品
家庭電化製品
自動車関連商品

喫煙  人間
家具
衣服
芳香消臭剤
接着剤
難燃化剤
可塑剤 滅菌剤 防腐剤


*シックハウス症候群と関連するアレルギー疾患
シックハウス症候群と関連する病気は多くの種類があるのが特徴です。最も重要であるのはアレルギー疾患です。
アレルギー疾患
1)アレルギー性鼻炎
2)気管支喘息
3)アレルギー性結膜炎
4)アトピー性皮膚炎
世間では「アトピー」というと「アトピー性皮膚炎」の事であると思われているのですが、実は、医学界ではアトピー疾患とは、喘息・アレルギー性結膜炎・アレルギー性鼻炎(花粉症)・アトピー性皮膚炎・蕁麻疹のことを言います。化学物質過敏症患者ではアトピー疾患を持っている患者さんは70%に及ぶというデーターがあります。

*シックハウス症候群と科学物質過敏症の違い

シックハウス症候群と医学症状が良く似た化学物質過敏症という疾患があります。
化学物質過敏症の定義は「化学物質に長期にわたり暴露され続けていたり、あるいは一度に大量の化学物質に暴露されたときに、突然、過敏症になってしまうと、その後、わずかな化学物質にも反応して種々の症状が出てくる状態」をいいます。
シックハウス症候群と化学物質過敏症の大きな違いは「シックハウス症候群」は原因となるシックハウス(病気の家)から避難すると症状は軽快したり消失するのですが「化学物質過敏症」は原因となる住宅や建物から外へ出ても、排気ガスや排煙など大気中の化学物質汚染などに反応するので、化学物質の存在するところであれば症状が治まらないということです。また、超過敏状態になるので室内であっても、ヘヤースプレー・香水・芳香剤・化粧品・印刷インクなどの化学物質に反応してしまい、日常生活が極めて困難になる事です。

*シックハウス防止の為の手法・技術的対策

防止対策は基本的に三つに分類される。すなわち、
@汚染物質の発生を可能な限り抑える方法。
A発生した汚染物質を換気により稀釈し排出する方法。
B発生した汚染物質を空気清浄器や特別なシート、ボードにより吸着分解する方法である。
発生源対策 汚染物質の発生を抑える方法の一つは、化学物質を含む建材・薬剤等の室内への持込を可能な限り抑えることである。設計の立場からは化学物質の放散量の少ない材料を選定する事、施工現場では、問題となる化学物質を含む接着剤、塗料、薬剤の使用を抑えること、住み手側では、家具などの選定、芳香剤、防・剤の内容を確認するなどが考えられよう。又、床下の防蟻剤からの汚染を防止する為には、ベタ基礎などの工夫も考えられる。 
他のひとつは、発生を抑えることである。これは建材の表面に化学物質の放散を抑える塗料やシートで覆う方法である。これとは別に意図的に室温を上昇させて建材などに含まれた化学物質を強制的に発揮させる方法(ベークアウト)が挙げられる。ベークアウトは仕上材の表面に塗布されたか化学物質の揮発には効果的であるが、内部に含侵した化学物質に対しては効果が薄いというのが定説になりつつある。
(換気)
 汚染物質に対して最も効果の高いのは換気である。生活時の必要換気回数の目安は0.5回/hであるが、先に示したように換気設備を備えていても換気量が得られていないケースが多い。また、換気方式としては第3種の機械排気方式が最も普及しているが、第2種の機械吸気方式は確実に外気を導入できるという点で優れている。現在は壁体内部結露の懸念があり採用されないが、十分検討すべきであろう。
また、施工作業中も汚染濃度が高くなりやすい為、その間は通風・換気を十分に行う必要がある。建材は新しいほど放散量が多いため引渡し前に十分な期間をとって可能な限り窓を開放して換気を行う事が望ましい。
(吸着・分解)
一度空気中に放出された汚染物質を吸着・分解し除去するという方法であり、建材・ボード・と空気清浄機に分けられる。各種のものが開発され、市販されている。ただし、これらの対策品の性能がすべて実験的に検証されているわけではなく、自社試験に基づく資料が一部に存在する程度である。また、カタログや仕様書などに記載されている内容は、前提条件が一定でない。性能の表示方法が統一されていない等の問題がある。したがって、標準的な試験方法と表示方法の確立が急務である。
化学物質13種類の濃度指針とTVOC濃度の暫定値が厚生労働省から既に公表された。しかし指針値は健康な人が一生にわたって曝されても問題とはならないという数値であり、シックハウス症候群、あるいは化学物質過敏症を罹った人に対しては、適用できない。これらの患者が居住する室内の汚染濃度はどこまで許容されるのかということは大きな問題である。
分解除去方法はプラズマ放電・光触媒・オゾン脱臭などである。
近年、光触媒の方法が研究成果をあげてきている事も注目すべき点である。また、木炭塗料の使用例も防蟻材として、吸着分解の為の塗布、塗布シート等も普及されて実績をあげている事も参考としておく。

*塗料
建築材料の中でも塗料や接着剤などは有機溶剤(揮発性有機化合物)が揮発して、塗膜が乾燥したり、接着剤が硬化したりする。内装用には、主に有機溶剤を利用しない水性エマルションの塗料が多用される、これらにしてもまったく有機化合物を含有していないという事ではない。
成膜助剤、可塑剤、製造時から残存する揮発性化合物等が少量ながら含まれている。
〈社〉日本塗料工業会では室内環境影響の少ない塗料の開発目標として表1に示している。
この開発目標に合致した製品が最近市場に出現しているようである。しかし、客観的な評価が十分されている段階ではない。

          表―1〈社〉日本塗料工業会の開発目標
    項 目   エマルション塗料      溶剤形塗料
 TVOC      1%未満     −
 芳香族系溶剤     0.1%未満      1%未満
 アルデヒド類     0.01%未満         0.01%未満
 重金属
 (Pb.Cr.Cd.As.Hg)   0.05%未満        0.05%未満

 発ガン性物質
 生殖毒性物質      0.1%未満        0.1%未満
 変異厳正物質
 感作性物質     0.1%未満        0.1%未満
                 
*天然樹脂等の材料を使料   
 天然材料を使用しているため人体に対する安全性が高い(と考え られる)材料である。                 
 最近は「自然塗料」と呼ばれるものが市場に出現している。周知のように、過去の塗料は天然系の油脂に天然顔料を配合した塗料が使用されていた。ボイル油に顔料を混ぜた塗料、柿渋等が使用されていた。このような塗料は、耐久性、意匠性、施工性等の点で劣るため徐々に使用されなくなって現在に至っている。
 あるいは、安全性の面から、もう一度天然材料を見直す必要があるかもしれない。このような塗料はコスト的にもそれほど高くないはずであるが、天然成分にこだわった市場にある塗料の価格は必ずしも安くはない。また、必ずしも天然材料だからといって、TVOCが少ないとか、アルデヒド類が含有されていないと言うことではない。                   

*塗料について
塗料に含まれるVOCは、沸点の低いものが多く、初期の段階で放散されるものが多いので作業中の換気を十分にする事が大事である。時間とともに急激に減少される事が実証されている。しかし、沸点の高いVOCについては、温度・湿度との影響により徐々に放散される事も忘れてはならない。内装には出来るだけ水系エマルション塗料を使用することが望ましい。
又、最近、天然の樹脂に天然の顔料を配合した自然塗料が健康に良いとして見直されているがただ、正しい認識、合意の下に使用する必要がある。水性エマルション塗料、自然塗料といってもVOCがまったく放散されないとは言えない。十分に選択をして使用すべきである。
現在多くの建材・塗料等にF☆☆☆☆の記載がありますが、これはあくまでもホルムアルデヒドの安全性の表示であってその他の有機化合物(トルエン・キシレン等)は含まれていない事をお忘れなく
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